ビットコインはETF流出圧力とFRB要因で8万7,000ドル近辺
イスタンブール、12月17日(Hibya)― ビットコインは週初に小幅な下落を示した後、水曜日はおおむね8万7,000ドル前後で横ばいとなった。米国で取引される上場投資信託(ETF)からの継続的な資金流出と、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利見通しを巡る不透明感が投資家の慎重姿勢を促した。
世界最大の暗号資産は直近取引で86,748.1ドルと、ほとんど変わらなかった。これを受け、市場は今後の利下げの時期とペースに対する確信を弱め、暗号資産のようなリスク感応度の高い資産に圧力がかかった。
世界第2位の暗号資産イーサリアムは0.4%下落して2,934.92ドル。世界第3位の暗号資産XRPは1.4%上昇して1.92ドルとなった。ソラナは小幅安、カルダノとポリゴンは概ね横ばい。ミームトークンではドージコインが0.7%上昇した一方、$TRUMPは1%下落した。
注目は木曜日に発表される米国のインフレ指標に移った。慎重ムードのなか、多くのアルトコインは値動きが小さく、メディア報道は流動性の低さがこうした穏やかな動きの要因だと指摘した。
ビットコインへの圧力は、米国のスポット型ビットコインETFからの資金流出が続いたことでさらに強まった。データによれば、これらのファンドは直近の取引で純償還を記録し、資金引き揚げ傾向が続いており、機関投資家需要の減退への懸念が高まった。
ETFの流出は、今年初めにビットコイン上昇を支えた重要な追い風を弱めた。暗号資産市場は米経済指標からもシグナルを受け、投資家は労働市場からのまちまちなサインを受けて金融政策見通しを再評価した。
最新の米雇用指標は、失業率の緩やかな上昇とともに雇用増の鈍化を示し、労働市場が冷え始めていることを示唆した。ただし、FRBに利下げ加速を促すほど明確なシグナルではない。
これらのデータはFRBの次の一手を巡る見通しを複雑にした。政策当局は、雇用環境の緩和の兆しと、目標を上回って推移するインフレの間で引き続きバランスを取っている。