利益確定でパラジウムとプラチナ価格が下落
イスタンブール、12月30日(Hibya)— 主要な貴金属であるパラジウムとプラチナの価格は、年末のラリー後の利益確定を受けて下落した。
パラジウム先物は約10%下落し、1オンス当たり1,790ドルとなった。プラチナ先物も貴金属市場全体の売りの流れに追随し、過去最高値から後退して、1オンス当たり約2,300ドルまで6%超下落した。
投資家は、交渉が今後数週間続くと見込まれる中、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナとの協議で重要な進展があったことを示唆した発言を受け、地政学的リスクも評価した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、いくつかの課題が残っているものの、枠組みの大半の要素は整っており、米国との安全保障の保証が確保されているとして、慎重な楽観姿勢を改めて示した。
一方、中国の広州先物取引所が、12月29日からパラジウムおよびプラチナ契約の取引制限と最小ポジションサイズを調整すると発表したことは、これら金属の流動性と取引動向に影響を与えるとみられている。
それでも、パラジウムは自動車産業からの強い工業需要、供給の逼迫、そしてETFへの強力な資金流入に支えられ、2009年以来最大となる年間約100%の上昇に向けた動きを続けている。
プラチナ先物は、全体的な売りの中で過去最高値から1オンス当たり約2,300ドルまで6%超下落したものの、それでも2025年に155%の上昇に向かっている。
プラチナの下支えは、2035年の内燃機関禁止を緩和するEUの計画、中国からの強い需要、そして市場の流動性を高めたGFEのプラチナ先物の開始に支えられた工業需要の回復からもたらされた。
一方、鉱山がある南アフリカでの混乱により、3年連続で年間供給不足が生じており、在庫が2020年以来最低となる世界消費量の5か月分まで減少したため、供給制約は続いている。
日本のニュース通信社 Japan News Agency